米利下げとナスダック、ダウの動きをチャートで検証します。2000年以降のチャートで検証となりますので対象は「ITバブルの崩壊」と「サブプライム破綻~リーマンショック」となります。
ITバブル崩壊
2001年年明けに利下げ開始 翌日に続けて利下げ。1月末にも利下げ。この年は利下げと公定歩合引き下げで12回の緩和策。にもかかわらず株価は2003年まで暴落となります。 利下げで株価は上昇しないということ。
サブプライム懸念~リーマンショック
2007年8月に公定歩合引き下げ 翌9月に利下げ 8回の利下げを繰り返したが、2008年10月にリーマンショック。その後も3回の利下げを行い利下げ終了。何故利下げ終了したのかというとゼロ金利になったから、その後数年間は量的緩和。
利下げ終了から数か月後に株価は下げ止まり上昇に転じますが、これは株価が安くなりすぎたからです。
この時も米利下げ開始から12回の利下げを行う間、株価は下落し続けています。
利下げと株価の動き
結論から言えば短期的には上昇。その後株価は下落に向かう。利下げする必要があるということはそういうことです。2019年7月の利下げ確率が高くなってきましたが、「米景気の拡大維持のため」ということですが、トランプ政権主導でのドル安誘導の目的が強い。パウエルFRB議長がハト派に傾いているのは「米中摩擦懸念」のリスクが大きいからです。市場が望むような継続ていな利下げをしていくのなら更なる経済懸念や悪い経済指標が出てくることになります。なので周期は少し長めになる可能性もありますが、利下げで株価は短期上昇。その後の懸念が明らかになれば利下げをしても歯止めの利かない暴落になる可能性があります。
利上げ局面は?
下の年表で利上げと株価の関係を見ればわかりますが、利上げ局面は株価が上昇しています。2004年~2006年 株価上昇していますね! 2014年に量的緩和終了 2015年12月 ゼロ金利解除。 ゼロ金利解除時は株価は下落しましたがその後利上げ局面の間、株価は上昇します。
利上げ、利下げと株価の関係
利下げするのはその後の経済が悪くなるから!利上げするのは利上げしても大丈夫だという確信があるからです。
利下げ=短期的に上昇するがその後は長い下落周期になる。
利上げ=短期的に株価は下落しますが、経済指標が悪いなら利上げできませんので、利上げするということは中長期的には上方向ということになります。
2001年 |
|||
レート |
公定歩合 |
||
1月3日 |
6.00% |
5.75% |
緊急利下げ 98年11月以来の利下げ |
1月4日 |
6.00% |
5.50% |
前日の緊急利下げの後 2日連続で利下げ |
1月30・31日 |
5.50% |
5.00% |
|
3月20日 |
5.00% |
4.50% |
|
4月18日 |
4.50% |
4.00% |
今年2度目の緊急利下げ |
5月15日 |
4.00% |
3.50% |
今年5度目の利下げ |
6月26・27日 |
3.75% |
3.25% |
|
8月21日 |
3.50% |
3.00% |
|
9月17日 |
3.00% |
2.50% |
米同時テロ対策 FRBとECBの協調利下げ |
10月2日 |
2.50% |
2.00% |
|
11月6日 |
2.00% |
1.50% |
|
12月11日 |
1.75% |
1.25% |
|
2002年 |
|||
11月6日 |
1.25% |
0.75% |
利下げは昨年の12月1日以来 |
2003年 |
|||
6月24・25日 |
1.00% |
2.00% |
「.方式」を一時取りやめ。 景気と物価に分け判断する方針へ FFレートは1958年以来45年ぶりの低水準。 利下げは約7ヶ月ぶり。(新公定歩合に移行) |
2004年 |
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6月29・30日 |
1.25% |
2.25% |
|
8月10日 |
1.50% |
2.50% |
|
9月21日 |
1.75% |
2.75% |
|
11月10日 |
2.00% |
3.00% |
|
12月14日 |
2.25% |
3.25% |
|
2005年 |
|||
2月1・2日 |
2.50% |
3.50% |
|
3月22日 |
2.75% |
3.75% |
|
5月3日 |
3.00% |
4.00% |
|
6月29・30日 |
3.25% |
4.25% |
|
8月9日 |
3.50% |
4.50% |
|
9月20日 |
3.75% |
4.75% |
|
11月1日 |
4.00% |
5.00% |
|
12月13日 |
4.25% |
5.25% |
レート(% ) | 公定歩合(%) | ||
2006/01/31 | 利上げ | 4.50 | 5.50 |
2006/03/28 | 利上げ | 4.75 | 5.75 |
2006/05/10 | 利上げ | 5.00 | 6.00 |
2006/06/29 | 利上げ | 5.25 | 6.25 |
2007/08/17 | 公定歩合緊急利下げ サブプライム | 5.25 | 5.75 |
2007/09/18 | 利下げ | 4.75 | 5.25 |
2007/10/31 | 利下げ | 4.50 | 5.00 |
2007/12/11 | 利下げ | 4.25 | 4.75 |
2008/01/22 | 緊急利下げ | 3.50 | 4.00 |
2008/01/30 | 利下げ | 3.00 | 3.50 |
2008/03/16 | 公定歩合緊急利下げ | 3.00 | 3.25 |
2008/03/18 | 利下げ | 2.25 | 2.50 |
2008/04/30 | 利下げ | 2.00 | 2.25 |
2008/10/08 | 緊急利下げ リーマンショック | 1.50 | 1.75 |
2008/10/29 | 利下げ | 1.00 | 1.25 |
2008/12/16 | 利下げ | 0.00~0.25 | 0.50 |
利下げ終了 量的緩和は継続 | |||
2010/02/18 | 臨時の公定歩合引上げ | 0.00~0.25 | 0.75 |
2014/10/29 | 量的緩和の終了 | 0.00~0.25 | 0.75 |
2015/12/16 | 利上げ(7年ぶりゼロ金利解除) | 0.25 ~0.50 | 1.00 |
2016/12/14 | 利上げ | 0.50 ~0.75 | 1.25 |
2017/03/15 | 利上げ | 0.75 ~1.00 | 1.50 |
2017/06/14 | 利上げ | 1.00 ~1.25 | 1.75 |
2017/12/13 | 利上げ | 1.25 ~1.50 | 2.00 |
2018/03/21 | 利上げ | 1.50~1.75 | 2.25 |
2018/06/18 | 利上げ | 1.75~2.00 | 2.50 |
2018/09/26 | 利上げ | 2.00~2.25 | 2.75 |
2018/12/19 | 利上げ | 2.25~2.50 |